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ピックレビュー


さて、実はここ数ヶ月に渡り自分の理想に近いピック探しをしていました。

ふと気が付いてみると結構沢山の種類のピックが手元にあったりします。

こんなに沢山のピックを一度に買うことも無いだろうってことで、

折角なので独断と偏見でピックレビューでもやろうと思います。



で、まぁどのくらい試したのかと言うと






このくらい。


メーカー:8社

材質:7種

厚み:5種

合計:全26種


理想のピックは一枚も無いけどな!

まぁ理想に近いピックはあったってことで。



さて、厚みは全5種類とはいえ大体どれも1.0mm前後です。

※正確には 1.0mm 1.14mm 1.2mm 1.5mm 2.0mmです

一般的にはピックが厚いほど低音から中音域が目立ち高音域が落ちます。

逆にピックが薄いほど低音・中音域よりも高音が目立ってきます。

形も多少の違いはあれど全てティアドロップ型なので

材質別でのレビューをやろうと思います。

それでは早速いってみましょー♪





━━━ 1種類目 セルロイド(Celluloid) ━━━





セルロイドは最も古くから使われている材質であり

なおかつピックの中で一番ポピュラーなものです。

セルロイド自体はなんと1800年代中期頃からある合成樹脂で

古くは象牙の代用品として使われていたそうなんですが、

現在では身近なところで言うと卓球のピンポン玉がセルロイド製だったりします。

ちなみに、セルロイドは摩擦に弱かったり耐久性に優れていなかったりするので

ゴリゴリ削れて無くなっていきます。



さて、写真右下に写っているフェンダーの白いピック。

これは一体いつからあるんだろうってくらい昔からあるまさに超ド定番です。

ピックを何にしようか悩んだらフェンダーのセルロイド買っておけば間違いないと思います。

そのぐらいの定番ピックです。

ちなみに、フェンダーのセルロイドには2種類あって

白い方はクラシックセルロイド

左側の2つはプレミアムセルロイド

というものらしいです。



さて、そんなセルロイドピックはどんなピックなのか。

まず手触りはセルロイド独特の手触りってのがあるんですが、

なめらか過ぎずザラつき過ぎずって感じで中々良いです。

ただ指先に汗をかきやすい人は滑りやすく感じるかもしれません。

管理人もそんな感じで好きだけど滑るから使っていません。


音質についてはよく暖かくまろやかなんて表現されますが

もったりしてます。セルロイド単体では「暖かくまろやか」と感じても

もっとシャープな材質のピックが存在する現在ではもったり感も否めません。

セルロイドは中音域が少し強いかなぁと思うのでその辺がもったりしている所以ですね。

あとは高音域も多少出ていて低音域はあまり目立たない感じです。

それからプレミアムセルロイドの方は

クラシックセルロイドよりもフラットな感じがします。


ピッキング感は比較的なめらかな部類だと思います。

大きさも丁度良い感じで大変弾きやすいです。

そしてどの楽器屋でも必ず置いてあります。(←重要



総評

誰でもどんなジャンルでも安心の万能オールラウンドピック





━━━ 2種類目 トーテックス(Tortex) ━━━





これはなんだか使っている人がとても多いようですね。

ジム・ダンロップ社が開発したトーテックスという材質のピックですが

特筆すべきは独特の手触りピッキング感音質

特筆すべきことばかりな気もしますが気にしない。



まず手触りですが凄くザラついた感じがします。

ピックを離しても指に何か付着してるんじゃないかっていうくらいザラついてます。

滑り難さという点においては汗っかきさんでも安心ですがやり過ぎです。


そしてピッキング感も独特で表面のザラつきの影響だと思いますが

弦に引っかかるような非常に独特のピッキング感です。

滑らないのでしっかりとしたピッキングには向いていると思うんですがやり過ぎです。


音質については中音域が物凄く強いです。

比較的中音域が強めのセルロイドと比較してもとても中音域を強く感じます。

もしかしたら中音域が強いのではなく物凄くフラットなのかもしれませんがやり過ぎです。


全体的にやり過ぎです。


ジム・ダンロップ社の製品はピックアップも中音域が独特だったりするので

トーテックスのピックもジム・ダンロップらしいと言えばジム・ダンロップらしいと思います。


ちなみに、トーテックスのピックの中にも何種類かあって

上の写真では3種類のトーテックスを試しています。

それぞれ微妙に音質が違いますがいずれも中音域が強いです。

トーテックスの中のどれかのピックという意味であれば

大抵どの楽器屋さんにも置いてあるので比較的どこでも手に入りますね。

耐久性とかはちょっと試してないので分かりません。



総評

物凄い癖と個性があるやり過ぎ感万歳の病み付きになる人向けピック





━━━ 3種類目 デルリン(Delrin) ━━━





またしてもジム・ダンロップ社のピックです。

デルリンは米国のデュポン社が開発した

軽く丈夫耐水性耐熱性まで兼ね備えたスーパー素材です。


でもその割にはゴリゴリ削れていきます。


管理人は右側の紫色した2.0mmのピックを非常に長く使っていましたが

3日に1度はピックを交換していました。

2.0mmある割には非常に軽いので軽量性は高いです。

ちなみに、このデュポンはDu Pont社という米国の科学会社で

ライター等で有名なデュポンはS.T.Dupont社です。


さて、このデルリンという素材について少し調べてみました。

これはホルムアルデヒドを原料としたポリアセタール樹脂(POM)で

ポリアセタール自体は熱可塑性樹脂でありホルムアルデヒドの単独重合体であるホモポリマーが

デルリンという商品名で市販されt非常にプラスチックっぽい材質だと思います。


…と、言うよりデルリンはプラスチック(の一種)です。

実際プラスチック製のピックとそんなに変わらないと思いますし、

プラスチックにも色々な種類がある、って話なわけですね。



さて、じゃこのデルリンピックはどんなピックなのか。

まず手触りについてですが滑ります。

滑りやすいピックの嫌いな管理人が

なんでこんなの使ってたんだろうって思うくらい滑ります。

滑りやすさなら今回試した材質の中でも1、2を争います。


音質については輪郭のはっきりしたシャープな印象で

低音域が強めに感じます。

逆に高音域は若干弱めに感じます。


ピッキング感についてはただでさえ滑りやすい材質な上

ピックの側面に傾斜がついているので物凄くなめらかです。

ただピッキングしたのかどうか分からない位なめらかなので

スウィープ等の奏法をする時にはとても楽なんですが

きっちりオルタネイトピッキングをするには慣れが必要です。

パワーコード等でヘヴィなリフを刻む時には弦をへし折る感覚で弾かないといけませんし

カッティングにもあまり向いてないような気がします。

2.0mmのヤツは特にそんな印象を持っています。


あと傾斜が付いてることによって弦に設置する面積が大きくなる、

つまり弦をこする時間が比較的長くなるのでノイズが多いです。

特に2.0mmのヤツは歪んだ音で弾くと非常にノイズを多く感じます。

このデルリンピックも2.0mm以外は大体どの楽器屋さんでも見かけるので

比較的どこでも手に入る部類のピックですね。



総評

プラスチック製のシャープな音やとにかくなめらかなピッキングが好きな人向けピック





━━━ 4種類目 ポリアセタール(Polyacetal) ━━━





ポリアセタールは最近よく目にする材質ですね。

デルリンピックのところで軽く触れましたが

もう少し詳しく書くと「ポリアセタール」という材質は

ホルムアルデヒドの単独重合体であるホモポリマー

ホルムアルデヒドとエチレンオキサイドの共重合体であるコポリマーのどちらかで

ホモポリマーは米国デュポン社のデルリン

日本の旭化成のテナックといった商品名で、

コポリマーは米国セラニーズ社のセルコン

日本のポリプラスチック社のジュラコンといった商品名で市販されています。

なのでポリアセタール製ということは上記の中のデルリン以外の何か、ということになります。


まぁぶっちゃけどうでも良いですね。


ジュラコン製ピックはあるようですがテナック製ピックやセルコン製ピックは見たことがありあません。

と言うよりポリアセタール製と表記されることが多いので区別が付かないというのが正直なところ。

ただ基本的にはデルリン製ピックかポリアセタール製ピックかなので

デルリンポリアセタールという考え方で良いと思います。

ポリアセタールピックでもメーカーによって弾き心地が違ったりするので

メーカーによってジュラコン使ってたりテナック使ってたりセルコン使ってたりするのかもしれないですね。



さて、そんなポリアセタールピックはどんなピックなのか。

まず手触りについてですが指に吸い付くような感じでフィットします。

デルリンやセルロイドのようになめらかな手触りでは無いのですが、

トーテックスのようにザラザラした感触は無いのです。

汗っかきさんでも安心して使えると思います。


音質については中音域から高音域にかけて強めだと思います。

低音域はあまり強い印象は無くデルリンの方が強いです。

低音域があまり強くなく中音域から高音域にかけて強い点はセルロイドと似ていますが、

セルロイドよりも多少高音が強めでジャキジャキとしたイメージです。

セルロイドは中音域が一番出ているので丸っこい感じの音になるわけですね。


ピッキング感については普通な感じでしょうか。

あまりなめらかな手触りではないのでセルロイドやポリカーボネイトよりは

弦に引っかかるような印象がありますが、トーテックス程ではありません。


写真右下のハーレーダビッドソン製ピックは他と比べ少しサイズが大きめなんですが

デルリンピックの2.0mmよりノイズが酷いです。

ポリアセタール製と一言で言ってもメーカーによって弾き心地や音質が多少違うので

同じ材質なのに統一性が無いというのは欠点かなぁと思います。

ポリアセタール製ピックはどの楽器屋さんにも置いてありますが

ポリアセタール製のどのピックが置いてあるかはお店によって違うようなので

物によっては入手しにくいことがあるかもしれません。


それと、アイバニーズ製のスティーブ・ヴァイモデルのピックは

白とピンクと緑と茶色があるんですが白以外は若干薄めです。

白以外の色は厚さがマチマチだったり変形してたりすることもあるんですが

もしかしたらそれが普通で白だけおかしいのかもしれないですね。



総評

ぴったりと指に吸い付く汗で滑らないピックが好きな人向けピック





━━━ 5種類目 ポリカーボネイト(Polycarbonate) ━━━





またしてもジム・ダンロップ。



さて、ポリカーボネイトは聞いたことがある人も多い材質だと思います。

これは身近なとこでも非常に沢山使われていて例えばCDやDVDなんかのメディア、

それから透明度が高いってことでサングラスやゴーグル、ヘルメットのシールド部分等

その他にも様々な分野で非常に多く使われています。

ちなみに、ポリカーボネイトもプラスチックの一種のようです。

軽量性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・透明度の高さといった点に非常に優れ

デルリンに勝るとも劣らないスーパー素材だったりします。



さて、そんなポリカーボネイトピックはどんなピックなのか。

まず手触りについてですがかなりツルツル滑ります。

っていうかよく滑りすぎです。

これは指先に汗をかきやすい人には非常に使い難い気がします。

ちなみに管理人はこんなに滑るピックは使えません。


音質は中音域が強めに感じますがトーテックス程ではありません。

トーテックスよりは低域寄りな低・中音域に特徴がある感じです。

ローミッドと呼ばれるような音域ですね。


ピッキング感については手触り同様よく滑ります。

デルリンピックのような滑り方ではないのですが

材質自体がよく滑るようなそんな印象です。


非常に丈夫ではあるようなので長持ちはするようです。

あまり楽器屋さんでは見かけませんが管理人は困りません。



総評

とにかく削れないピックやツルツルした手触りのよく滑るピックが好きな人向けピック





━━━ 6種類目 ウルテックス(Ultex) ━━━





4度目のジム・ダンロップ。

Ultexは人の爪に非常に近い材質らしく

ダイナミックレンジがとても広いようです。



さぁ、そんなUltexピックですが音質についてはかなり良いように思いました。

フラットな特性なのかもしれませんが非常にバランスの良い音です。

全然ジム・ダンロップっぽく無い音なんですが

このバランスの良さは今回試した材質中間違いなく1番です。

音の抜けも非常に良いと思います。


そしてやはり気になるのは手触り。

爪に近い材質ということなんですが結構普通です。

独特の弾力があるのでそれが爪っぽく感じれるかもしれませんが

まぁ爪っぽいような気がしないでもないような気はします。

何度触っても結構普通です。


ピッキング感についても結構普通な感じです。

セルロイドに似てるかもしれません。


と、いうより全体的にセルロイドに似ている気がします。


セルロイドとの違いは音質のバランスが良いことと

セルロイドよりは多少指が滑りにくいってことぐらいでしょうか。

音は良いんですけどねぇ。

このピックは置いていない楽器屋さんもありますが、

置いている楽器屋さんも多いので入手はそれ程困難では無いと思います。



総評

バランスの良い音や珍しい材質が好きな人向けピック





━━━ 7種類目 カーボンナイロン(CarbonNylon) ━━━





これはPickBoyというメーカーが販売しているピックで

カーボンナイロンという材質で作られています。


カーボンなのかナイロンなのか分かりませんね。


少し調べてみたんですがカーボンナイロンという材質は見つかりませんでした。

カーボン(ファイバー)ナイロンといった繊維はあるので

FRP(繊維強化プラスチック)とかそういう類の物かもしれませんね。


まぁぶっちゃけどうでも良いですね。


さて、このカーボンナイロンピックはどんなピックなのか。

まず手触りについてですが、材質自体はとても滑り易いように思いますが

ピック中央にある模様が滑り止めの役目をしているのでそこまで指先は滑りません。

それでも滑り易い部類には入ると思うので

指先に汗をかきやすい人は使いにくいかもしれませんね。

ちなみに、ピック中央の模様はマリファナです。


音質についてはなんていうかドンシャリ。

低音域と高音域が強くて中音域が弱い。

その上ジャキジャキとした感じの音がするので

セルロイドやトーテックスとは正反対の音といった感じでしょうか。

低音域から中音域にかけては特に強いと思います。

ローミッドと呼ばれるような音域ですね。


ピッキング感についてなんですがものっっそい滑ります。

デルリンも滑り易いですがそれとはまたちょっと違った滑り味

デルリンはピックの側面に傾斜が付いているので滑り易く感じますが、

カーボンナイロンはもう本当に材質自体がなめらか過ぎて滑る感じです。

今回紹介している材質の中で一番滑るピッキング感だと思います。


あとは厚みの割には硬いなぁと思います。

硬さも曲がり難いというか曲がる前に折れるみたいな硬さです。

このピックはどの楽器屋さんでも見かけるので

結構どこでも手に入るピックだと思います。



総評

硬くて曲がり難くてよく滑るピックが好きな人向けピック





━━━ お気に入り 管理人使用ピック ━━━





コイツが最近のお気に入りです。

TerryGouldというカポタストなんかを作っているメーカーの

ポリアセタール製ピックで厚さは1.0mm。

音質や指触りやピッキング感はポリアセタールピックのところに書いたまんまです。

ただあまり置いてある楽器屋を見かけないので入手し難いのが難点です。

それともう少しサイズが大きくても良いかなぁ。

フェンダーのセルロイドピックと全く同じ形で

ExtraHeavyのポリアセタール製ピックがあれば良いなぁと思います。



総評

取り敢えずコイツなら我慢して使えるピック





━━━ 最後に プラスチックと合成樹脂と熱可塑性樹脂 ━━━


さて、ここまで色んな材質のピックを取り上げてきたわけですが、

最後に皆さんを混乱のどん底に落とし入れることを書いておきたいと思います。


プラスチック合成樹脂熱可塑性樹脂

それぞれこのページで紹介してきたピックに使われている材質です。



でも実はこれ、全部同じものなんです。



はい、混乱してきたんではないでしょうか。

まずプラスチックと合成樹脂は全く同じ意味の言葉です。

プラスチック(合成樹脂)とは可塑性を持つものという意味で

一般的に人工的に合成された高分子化合物で可塑性を持つものを指します。

ちなみに、人工的ではない樹脂(天然樹脂)にはビヨンビヨン伸びるゴムなんかがあります。


さて、人工的に合成された高分子化合物で可塑性を持つものプラスチック(合成樹脂)と言い

その中でも熱可塑性を持ったものの中にセルロイドポリアセタールポリカーボネイト等があり

更にポリアセタールの中の単独重合体であるホモポリマーの一種としてデルリン等があり

同じくポリアセタールの中の共重合体であるコポリマーの一種としてジュラコン等がある。


つまりセルロイドポリアセタールデルリンポリカーボネイト

厳密に言うと全部プラスチックです。



デルリンピックのところで「プラスチックっぽい材質」なんて書いてますが、

厳密に言えばプラスチック製と書いてあるピックによく使われている材質っぽいって意味になります。

ただそれがどのプラスチックなのかは分かりませんが、恐らくは汎用プラスチックと呼ばれる

ポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニル(塩ビ)あたりかなと。


ちなみにポリアセタール(デルリン含む)やポリカーボネイトは

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)と呼ばれる

汎用プラスチックよりも耐熱性に優れたプラスチックです。

更に耐熱性に優れたものは

スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)なんて呼ばれたりします。

スーパーエンプラのピックはまだ見たことがないですね。


もひとつちなみに熱可塑性とは熱を加えることで柔らかくなる性質です。

逆に熱を加えることで硬化し元に戻らなくなるのは熱硬化性です。

熱硬化性樹脂にはエポキシ樹脂やポリウレタン等があります。



厳密に分類するとたかがピックの材質でも奥が深いんですねぇ。

それからトーテックスやカーボンナイロン、ウルテックスは

プラスチックとはまた違ったところにある物だと思います。多分。


まぁこのページでもそうだったように、一般的にピックの材質の話をするのであれば

セルロイドプラスチックポリアセタールポリカーボネイトデルリン全て別物扱いなので

「プラスチックは熱可塑性樹脂の汎用プラスチックのどれかだな」とか

「デルリンは熱可塑性樹脂のエンプラのポリアセタールのホモポリマーの一種だな」とか

あまり、というより全然意識する必要はありません。



総評

つまり最後のコレは無駄知識ってヤツさっ!

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